11.6月定例会 一般質問
2011年 6月定例議会 一般質問
3月11日の東日本大震災は大地震に大津波をともない、さらには原発事故を誘発するなど、まさに未曾有の被害となっています。「想定外」という言葉がよく使われますが、あの地震と津波はそうだったかもしてません。しかし、原発事故にはその言葉を使うことは許されません。この間の防災対策は果たして適切だったのか、国・地方とも的確な被害実相の分析が求められています。私は先月、民間団体主催の防災研修会に参加してきました。自治体の防災計画のあり方、原発事故の実態と防災対策、加えて被災地から参加された議員の報告会もあり、「とにかく一度来て、そして自分の目で見てください」と訴えられました。そうした研修会も踏まえ、本市の支援体制や防災対策について質問を行いたいと思います。
(1)被災者支援とボランティア派遣 大震災による被災者数は5月末で、死者・行方不明者合わせて2,4万人避難者数11万人を数えています。本市も避難者の受け入れに最大300人 という態勢を整えましたが、現在9世帯31人に止まっています。また、当初の義援金の募集に加え、本市受け入れ被災者の支援を目的とした支援金募集も始めましたが、いずれも現在は収束ぎみと聞いています。3月議会でも私はこの事態には全国自治体挙げて対応策をとるべきと主張してきました。しかし、ボランティア活動をしている市民からは本市や社会福祉協議会含め、その発信力が不十分であり、結局県の対応待ちに終始しているとの指摘をいただいています。そこで、市長に質問いたします。日赤等を通じて集められている義援金がなかなか被災者へ渡らないというもどかしい報道を聞くにつれ、使途を明確にした本市独自の支援金募金をさらに広範に呼びかけるべきではないでしょうか。ちなみの後ほど紹介する小松市は被災自治体に直接届けるとし、市長肝いりの義援金を募っており、すでに4800万円になっていると聞きます。また市民の現地災害ボランティア派遣については、社協によれば、申し出を県に紹介する程度の事業に止まっているようです。すでに被災自治体とは職員レベルで繋がりもできているようですし、被災地はまだまだ人手を必要としていると聞きます。そこでこの際、市民公募で本市独自のボランティア派遣を始めてはどうでしょうか、見解をお聞きいたします。
(2)避難している子どもたちへの支援 小松市の取り組みをお聞きしました。5月末で小松市へは現在28世帯56人が避難されており、その内12名が小中学生です。その子どもたちに就学準備金として小学生に3万円、中学生に5万円がすでに支給済みと聞きます。本市に避難している小中学生5名ですが、その子どもたちへこれまでどのような支援がなされたのか、さらには就学援助の制度適用や奨学金を支給する手だてがとれないのか、教育長にお聞きします。
(3)原発防災への対応策 今回の震災でさらに深刻な事態を招いているのが、福島第1原発の爆発事故です。この間の報道によれば、初期対応の遅れが、今日の炉心溶融というチェルノブイリ原発に相当する大事故を招いたと言われています。地震や津波の被害を免れても、放射能汚染で避難を余儀なくされた皆さんの、東京電力や政府への憤りは計り知れないものです。さて冒頭述べた研修会では、郡山市の子どもたちへの放射線被曝を懸念し、校庭表土の除去について報告がありました。郡山市は福島第1原発から60km、まさに白山市と志賀原発の関係にあたります。今、国基準のEPZ(防災対策重点範囲)に従い、石川県でも半径10kmを設定していますが、ここでも事故を想定していない規定であることが明らかになりました。 そこで市長にお聞きします。志賀原発が一端事故を起こせば、金沢市を含め白山市も即日の内に被災地となります。そのため報道されているように本市も志賀原発の稼働再開についての地元同意自治体に参加表明をすべきですし、EPZの見直しについても県を通じて国に求めるべきと思います。同時に本市の防災対策にも原発事故を想定した計画を入れていくべきと思いますがいかがでしょうか。
(4)今後のエネルギー教育 国策としてすすめられてきた原発事業は教育の場にも及んでおり、文科省からは小学校向けに「わくわく原子力ランド」中学生向けには「原子力ワールド」という副読本が教師用指導書と共に届けられています。その中に、原発は少ない燃料で安定したエネルギーが取り出せる、とか廃棄物は安全に処分される、また自然エネルギーはコスト高だと指摘しながら原発の有効性をひたすら述べています。いわば一方的な価値観を教え込もうとする、戦前の国定教科書にも匹敵します。教育長にはこうした教材の存在が確認されていたのか、加えてこの副読本の活用状況、一連の事業である「原子力ポスターコンクール」の昨年までの参加状況についてお聞きします。今回の事故で安全神話は崩壊したわけであり、この教材の処置をどうするのか、加えて今後のエネルギー教育のあり方をどうすべきなのか、お聞きします。
(5)新たなエネルギー施策 3月末から4月、東電による計画停電は原発がなければ電力不足になるとの宣伝効果をねらったものとの批判が出ています。しかし、依然としてこの夏の電力不足が報道され、東京・東北電力管内では15%の節電計画が政府から打ち出されており、今や節電・省エネの機運は全国に広がっています。私はこれまでの大量エネルギー消費社会の見直しについては賛同しますし、自然エネルギーへの転換は国を挙げての課題であります。また金沢市長も原発に依存しないエネルギー施策を推進すると表明しています。そこで、県内唯一の地球温暖化対策条例を制定している本市として、まずは太陽光発電の設置申請が増えることを想定した対応策を考えているのか。また、新たな施策として安価に設置できる太陽熱温水器が見直されています。設置経費は太陽光発電の2割程度で、夏場はきわめて有効な給湯設備になります。ちなみに県内では内灘町が本年度から導入を決めており、本市も緊急省エネ施策として導入できないか、提出予定の温暖化対策地域推進計画の中で具体化するよう求めますがいかがでしょうか。
2.教育現場の多忙化解消対策
この課題で質問するのは1年ぶりです。昨年の6月議会で私は、学校が学校であるため、あたりまえに保障されるべき時間確保が、今の教育現場では極めて難しくなっていることを指摘しました。しかもその要因の多くが、行政が発信する様々な研修・研究会への参加要請、それに伴う計画書・報告書の提出、日々の教育活動での書類整備、学校で頻繁に繰り返される諸会合、加えて中学校では部活動指導が重なり、土日の練習試合や各種大会への参加、まさに本務たる授業準備や子どもたちと関わる時間がほとんど確保できない事態であります。さらに一方では学力向上と称し、数値や結果が求められ、教職員の健康被害は一向に減少する気配はありません。まずは適切な実態把握を行うべきだとの私の提言に対し、時の西田谷教育委員長は前向きの対処を約束いたしました。その後、ずいぶん時間がかかりましたが、10月末の1週間を対象に超過勤務や休日勤務等の実態調査が市内すべての教職員を対象に実施されました。今回はその実態調査に関わり幾つかの質問を教育長に行います。
(1)実態調査の分析・評価 教育委員会がとりまとめた調査結果の概要を見ますと、平日で小学校は平均で1時間40分、中学校は平均で2時間20分の時間外勤務とあります。他に自宅への持ち帰り仕事や勤務を要しない土日の出勤状況等がまとめられています。まずはこうした実態をどう分析され、改めて教育行政として教育現場に加重負担を強いてきたとの思いがあるのかどうかお聞きします。
(2)実態を踏まえた対応策と周知 昨年の議会では、一例として教育委員会も名を連ねている「白山市特定事業主行動計画」がほとんど周知されていない実態を指摘しました。本年度は4月から幾つかの具体的な対応策について各校長に指示されたと聞きます。その概略をお聞きし、特に重点とされる取り組みの紹介と周知方法をお聞きします。
(3)検証と持続的な取り組み 3月31日付けで県教委も「子どもと向き合う時間の充実を図る」として具体策を公表しました。それによると、「学校力の向上、校務の効率化」をすすめ、「組織的な対応や校務の見直し」が必要としています。しかし学校現場の超多忙状況を招いている根本的な検証が不十分であり、結果的に教職員の「自覚と自己責任」を求めるような内容となっています。今議会に当たり、現場での状況を少し聞いてきました。やはり超過勤務をもたらす業務量が減らない限り、管理職の声かけが始まっても帰宅は難しいし、結果的に帰宅しない本人の自己責任にされてしまう、との声が圧倒的に多くありました。こうした実態把握がなされているのか、さらなる施策の検証と対応策を求めたいと思います。
3.「白山手取川ジオパーク」の今後
日本ジオパーク認定に向けて、本市の「白山手取川ジオパーク構想」がいよいよ具体的に動き出しています。先月には千葉県で開催された公開審査会に参加して、本市の構想を発表し、好感触を得られたと聞いています。昨年度途中に推進室を立ち上げ、短時間に申請まで漕ぎ着けられたことに敬意を表するものであります。さて、私も先月には有志議員と共に、昨年視察した北海道の洞爺湖・有珠山と同時に世界認定を受けた糸魚川市を視察いたしました。糸魚川市を代表する地質資産は端的に言えば、フォサマグナとヒスイです。市内のジオポイントを取りまとめたエリアがジオサイトと呼ばれ、24カ所が整備され、その内2つのサイトを案内いただきました。現地には案内板やルート表示が整備され、ほぼサイトごとのガイドブックもできていました。市内要所にはのぼりも目立ち、自ずとジオパークへの市民認知度も高まっていると感じました。そこで本市のジオパークの今後について幾つか市長に質問いたします。
(1)ジオパークがめざすもの 本市の構想には地域の「大地の物語(ジオ)」と「自然(エコ)」それに関わる「生活、歴史、文化、産業(ヒト)」との関わりを学び、楽しむ仕組みとあります。私はこの日本ジオパーク申請にあたり、経済効果への期待感も聞こえてきますが、それより白山市の課題である一体感の形成、いわゆる街づくりの視点で捉えることに意義を感じています。市長の日本ジオパーク認定に向けての期待感をお聞きいたします。
(2)認知度を高める手だて 本市の構想によれば11のジオサイト、それを3つのエリアにまとめるとしており、その意図は明確に伝わります。今後、市民や子どもたちへの認知度を高めるには、それぞれのエリアごとに完結するストーリーやジオツアーのルート整備も必要ですが、こうした分野を担うガイドの編成や養成計画をどうするのかお聞きします。
(3)表示看板や拠点施設 洞爺湖・有珠山や糸魚川で確認してきましたが、個々のジオポイントやジオサイトには解説看板等が必要とされます。そのためには一定額の予算確保も必要となりますが、県の支援が期待できるのか改めてお聞きします。また、拠点施設をどうするかも課題です。糸魚川はフォッサマグナミュージアムという充実した施設に専任の学芸員を配置しています。本市は当面既存施設の活用を考えているようであり、その構想をお聞きし、前回質問でも触れましたが、少なくとも本市の玄関口である松任駅前には拠点施設の設置が必要と思いますがいかがでしょうか。
