10.9月定例議会 一般質問

 【古河まさのり一般質問全記録】

*******************************************************************************************************************************

2010年 9月定例議会 一般質問

 

1.生活保護の現状と課題について

 先月、横浜で生活保護問題をテーマにした議員研修会に参加いたしました。この研修のテーマは「生活保護の基礎から学ぶ」というものであり、反貧困ネットワークを立ち上げ、現内閣府参与の湯浅誠さんの講演もありました。湯浅さんは「我が国の貧困状況は国際比較でも高位に属し、働いている人がいる世帯でも相対的貧困ラインを下回る割合が増えている。また貧困とは余に言う貧乏とは違い、それに孤立が加わる現象であり、もう家族単位では支えられず、社会的にキャッチすべきであり、今や生活保護も特別視されるようなものではない。」と指摘されました。石川県も決して例外ではなく、今年6月末で過去10年間の最多となる5262世帯に達していると報道されています。そこで白山市の現状を市長にお聞きいたします。
  109gikai1.JPG(1)周知のように生活保護制度の財源は国が3/4,当該自治体が1/4を負担しています。長引く経済不況で全国の自治体は財政難であり、それに呼応するかのように働ける若い世代の受給者も増えるという、いわゆる負のスパイラル状態にあるとされます。その結果、できれは受給者を増やしたくないという意向が自治体に表れ、相談窓口で申請を制限するという、いわゆる「水際作戦」が全国的に広がっているといいます。白山市は4月当初集計でここ数年180人程度の保護人数で推移してきたものが、今年度当初は215人に増加しています。それでも人口比で計算された保護率は市民1000人に対し1.9人、同時期の県平均は5.4人ですから半数以下になります。まずは、この1.9人をどのように分析されているのか、また相談者と受給人数に乖離がないのかをお聞きします。さらにケースワーカー不足が深刻であり、金沢市は1人平均98世帯を受け持つとの報道がありますが、本市の場合の状況をお聞きします。
(2)生活保護受給者の自治体間格差は多分に財政的な要因があります。問題とされる「水際作戦」についても担当職員の職務に忠実な現れかもしれません。昨今の状況を鑑み、私はこの制度の基本的な欠陥を感じますがいかがでしょうか。市長には改めて、本市としてこの制度執行上の課題をお聞きしたいと思います。

2.子ども権利条例を活かすとり組みについて

 次は07年4月に施行された白山市の「子どもの権利に関する条例」についてであります。これは国連「子どもの権利条約」の理念に基づき策定され、県や金沢市の「子ども条例」とは理念の違いがあり、こうした子どもの権利を明確にした総合的な条例は当時、県内初、全国でも12番目でありました。そして制定後、条例に基づく行動計画が権利委員会で策定され、その計画期間が今年度までの4年間となっていることから、重点施策に関わり幾つかの質問を市長・教育長に行います。
(1)まずは、条例の啓発や広報についてであります。私はこの間、担当課の努力により作製された、子ども向けのパンフレット、08年度の子ども向け絵本、09年度のDVD、どれも質の高い資料であると評価しております。また、「育ち・学びの場」である保育所、学校、さらにはPTA組織に対する学習や研修の場についても毎年設定されてきました。こうした条例は策定より、持続的な施策展開が課題となります。行動計画によると数値目標は「市民認知度を50%にする」とあります。果たしてその数値はどういう状況にあるのかお聞きいたします。
 また、10月28日開催の全国自治体シンポジウムについてであります。これは、これまで川西市、川崎市、多治見市など全国の子ども権利条例を制定している自治体を会場に毎年開催されてきたものであり、地域からの子ども支援、子ども施策や事業のあり方、まちづくりの展望等を課題に、自治体関係者や研究者が意見交換、交流を行うというものであります。私は白山市がようやく全国的に認知を受けたことの証左でもあり、会の成功を期待するものであります。そこで、第1日目の全体シンポジウムでは喜田教育長が教育の立場からのパネラーとして参加されますが、白山市として全国に何を発信されようとされるのかお聞きいたします。
(2)次は権利の侵害に対する救済体制についてであります。市民会館に設立された「子ども相談室」に対し、私は子ども自らが気軽に相談に訪れるような環境整備を求めてきました。以来、2年経過しましたが、子どもからの相談は今も電話に限定されていることもあり、この設置場所を含めた環境整備について再度見解を求めます。
 さて、子どもへの虐待についての報道は一向に減少する気配はありません。本市の相談室は行政相談窓口の一本化を図ることが第一義であり、相談内容に応じて行政担当をコーディネイトし、相談者が窓口をたらい回しされるような事態を解消する上で大きな前進と考えています。しかし、報道されるような深刻な事例については本市も県の児童相談所等の機関に依拠せざるを得ないことになります。家庭への立ち入りや子どもの保護などは法的根拠を背景とした行動となりますが、本来、市民に身近な自治体単位で対応できることが望ましく、たとえば本市も先進自治体で進められているように独自に「オンブズパーソン」を制度化すれば、権限を持って保護者や関係機関を指導することができます。さらには虐待を受けた子どもの一時保護所やシェルターの設置等の検討を含め、次期行動計画に盛り込めないか、これは市長にお聞きします。
(3)次は子どもが自主的に活動できる居場所づくりであります。現在は松任文化会館の一角にスペースが確保されていますが、子ども達が自由に集うまでには至っていないようであります。私は先月、東京・世田谷の羽根木プレイパークを視察してきました。この施設のモデルは1950~60年代にヨーロッパで広がった「冒険遊び場」と言われるものです。日本では町中で子ども達が群れて遊ぶ姿が少なくなりました。60年代以降の急速な都市化が遊びの空間を奪い、進学競争の激化が遊びの時間を奪う、いわゆる3つの間(空間、時間、仲間)の喪失を招いたわけです。他方、子ども達にのびのび遊んでもらおうと、児童公園や運動公園が作られても、事故や変質者被害から守ろうとするため「安全でこぎれいな公園」になっており、それが必ずしも子ども達が望む空間ではない場合が多いわけであります。世田谷では地域の世話人が4つのプレイパークの運営を始め、2005年にNPO法人を設立、現在は世田谷区から運営委託がなされています。現地で説明をいただいた理事の福島智子さんによれば、遊びに来る子ども達の年代は様々、でも登録はしない、会費を取らない、遊びの指示もしない、しかし施設に配置しているプレイリーダーの存在が重要とのことでした。この日は夏休み期間でもあり開園10時になると続々子ども達が集まり、あちこちで水遊び、木登り、たき火が始まりました。そしてプレイリーダーの下に集まったりと、思い思いの遊びが展開されていました。都会のプレイパークと白山市を相対視はできませんが、子ども達が自転車で動ける範囲とすれば、少なくとも松任地域に1カ所、土日に交通手段が配置できれば、自然の中のプレイパークとして、鶴来・山麓地区に1カ所など、いずれにしても新設ではなく既成の公園の活用を視野に入れた白山市版プレイパーク、これも次期行動計画に盛り込めないか提言し、市長にお聞きいたします。

3.さらなる学校の多忙化解消に向けて

(1)白山市は今年から一斉に3学期制となり、先月30日から新学期が始まっていますが、この記録的な猛暑の中で、いきなり小学校でも初日から6時間体制、加えて外では運動会練習が続いているようです。冷房施設の少ない学校でもあり、全国的に子ども達の熱中症が報道され、運動会の延期を決めたところもあります。本市ではどのような対策を取られているのか、猛暑日は台風時のように授業打ち切りも想定すべきではないかも含め、お聞きいたします。いずれにしても、このように余裕のないカリキュラムを進めることが必要なのか率直に疑問を感じています。
(2)次に私は先の6月議会で、学校の多忙化が本市の教育に大きな支障となっていると指摘し、毎日の超過勤務、土日など週休日の勤務実態、そして特定事業主行動計画に基づく「ノー残業デー」の適正な実施について質問しました。7月に入り、ある学校では全体の場で教頭会からとして「水曜日はノー残業デーになっていますから」との報告はあったものの、例えば時間外に及ぶような会議を入れないなどの具体的な手だては摂られなかった、と聞きましたし、後日の調査では職員に伝えた学校は半数以下でありました。私は学校の現状から、即日全面的な執行は困難にしても、教育行政として「伝えるだけで事足りる、あとは職員の自己責任」との判断があるとすれば、あまりにもお粗末すぎると思います。6月議会の答弁をふまえ、教育行政がどのような責任ある対応をされるのか、改めてお聞きいたします。
(3)次に、白山市は他市にはない単独予算で学校支援・子ども支援のための人的配置を行ってきたことは評価しています。県内にさきがけて全校に配置した図書館司書、これは十分な波及効果をもって県内各地に拡大しています。そして小学校低学年への少人数学級、これについても内灘町が対応し、県も重い腰を上げました。その他、中学校を起点としている相談員、小学校での安全指導員などがそれにあたります。
 しかし、合併を期に明らかに後退したものもあります。旧自治体ではかなり手厚く配置されていた、学校事務職員の補助員であります。学校事務職員は県負担で4学級以上に1名配置、小学校27学級以上、中学校21学級以上は2名配置で、現在複数配置は市内では松任中学校のみとなっています。この学校事務職員の業務は配当予算の管理と執行、保管文書の管理、集金・転出入・教科書納入、就学援助等の児童生徒に関わる事務手続、教職員の給与や福利厚生など極めて多岐にわたります。昨今は学校に配置される多様な職員の対応やパソコンを通じた窓口業務が加わり、さらに多忙化が進んでいます。また、学校全体が多忙なこともあり、職員室に残る教員はいなくなり、来客の接待まで廻ってくると言います。こうした業務の補助をするために配置される本市の事務補助員の配置基準、これが旧松任市基準に統一され、具体的には生徒数400名以上に1名配置、しかも中学校のみとなっています。
 そこで質問ですが、まずは生徒数400名の根拠と中学校だけを対象としていることの説明を求めたいと思います。近隣の金沢市では県負担で複数配置の学校を除き、15学級以上の小中学校には1名配置しています。仮に金沢市の基準に照らし合わせれば、本市では9小学校が該当することになります。今日の学校の多忙化、教員の疲労感増大の原因でもある事務処理や雑務を分担し、教職員全体の負担軽減を図るためにも、まずは事務職員の業務を適正に把握し、人的な支援がなされるよう求めて質問といたします。

4.学校の施設整備の基本方針について

 最後の質問となりますが、本市は財政計画に基づき、学校の改築を順次進めてきました。蕪城小学校、白嶺小中学校、美川小学校と改築が進められた中で、評価できることは職員・子どもの意見を聞き、設計に反映するシステムができてきたことであります。後に触れますが、先月に蕪城小学校を視察したときも、松南小学校の子ども達が見学に訪れ、熱心にメモをとっていました。このあと朝日小学校や松南小学校が実施設計に入る段階を迎えており、改めて何点かにわたり、本市の基本的な方針を市長・教育長にお聞きいたします。
(1)まずは環境に配慮したエコスクールであります。この間、ビオトープに加え、風力・太陽光などの自然エネルギーのシステムが導入されてきましたが、あくまで環境教育の視点であり、施設のエネルギー自給までは考えていませんでした。今後も猛暑が想定されるとすれば、もう少し規模の大きな太陽光発電システムの導入を考えてはいかがでしょうか。次は校庭の芝生化についてであります。これは温暖化対策に加え、運動時の安全性確保、土砂の飛散対策、等に有効であり、情操教育にも寄与するとされ、全国的に拡大しています。しかし、さきがけとなった蕪城小学校は4年経過し、課外スポーツや地域開放による使用頻度に絶えられず、まさに壊滅状態です。そこで私は以前から全国的に注目されている「鳥取方式」と呼ばれる芝の導入を提言してきました。現在校庭の一画で育成中ですが、こうした芝導入の可能性を含め、本市の学校グラウンドの芝生導入計画について、教育長にお聞きします。
(2)次は6月議会で宮中議員から質問された学童保育施設についてであります。議会に提示された朝日小学校、松南小学校の完成予想図(パース)には敷地内に独立施設がなく、お聞きすれば所管常任委員会で校舎内設置の意見が強いことが要因とのことであります。しかし、この間、行政官庁の違いや、学校生活の延長ではない環境で放課後の時間を過ごすことを目的とし、あえて別棟の施設を建設してきたと理解しています。また、これまで校舎内に設置されていた学校では、放課後遅くまで校舎内に子どもが残っていることへの対応に苦慮することもあったと聞いています。一方では文科省と厚労省が合同で3年前より「放課後子どもプラン」事業を打ち出したことで、空き教室の活用も始まっています。今回の両校の場合、保護者に意見を求めているようですが、単に学童保育施設を校舎に入れるか否かという議論に終始しているのではないでしょうか。今後は、本市として校舎内施設を活用する「放課後子どもプラン」を志向されようとするのか、改めて子ども達の放課後施策の基本方針を市長にお聞きいたします。

最近の投稿記事

怒りを変革に、社民党定期大会を開催
 4月8日、社民党県連合は定期大会を開催…
子どもたちの健康を守るために
 3月17日、七尾市常福寺の畠山 浄さん…
ドイツの戦後補償そして交通・エネルギー政策
2月12日からのドイツ視察、濃密な日程と…