10.6月定例議会 一般質問
2010年 6月定例議会 一般質問
1.自治基本条例の制定に向けて
白山市自治基本条例は08年4月に策定委員会から提言を受け、9月には執行部の試案が議会に提示されました。これに合わせ議会では2期にわたり特別委員会を設置し審議を重ねてきましたが、未だ制定に向けた意思統一ができていません。しかし、行政への市民ニーズや参加の意識が高まる中で、どうしても客観的な自治システムの整備が必要となってきており、私はできるだけ早く条例の制定が必要と考えています。ただ、特別委員会の議論では、地方自治法がある中であえて条例をつくる必要があるのか、また「最高規範性」を明記することで、既存の条例の上位に位置づけることや首長の権限を制限することに懸念も出されています。 こうした議論について少し私見を述べたいと思います。2000年の地方分権一括法により、国と自治体が対等・協力の関係に位置づけられました。しかし自治体と市民との関係を見直すような法整備がなされず、今日の自治体運営で不可欠な情報公開、市民参加、総合計画、政策評価などは自治体の方で整備する必要が出てきました。そのため「最高規範性」を明記した自治基本条例を制定することで、既存の条例を見直す際の判断基準としたり、首長の個性や判断で自治体運営が左右されることへの歯止めともなるわけです。一方、議会では議会改革の一環としての「議会基本条例」試案が、特別委員会の皆さんのご努力でまとまりました。全国的には、自治基本条例が先行することが一般的ですが、本市の場合、現状ではそうした経過をたどっていません。そこで、以下の質問を市長に行います。
(1)執行部は試案を提示しながらも、条例化に向けた気概や意気込みが私には伝わってきません。特別委員会ではこうした執行部の姿勢もあり、条例化が目的なら議員・議会規定等を含むような総合的な「基本原則型」ではなく、拘束性の緩やかな「理念型」の条例を志向する意見も出ています。私はあくまで執行部試案の「基本原則型」の意義を認める立場で意見を述べてきていますが、この場で改めて何のためにこの条例が必要なのか、条例化でさらに推進したい積極的な施策等をお聞きします。
(2)本市の議会基本条例案もいわゆる基本原則型を取っており、議会と市民との距離感を縮めるための具体的な施策を盛り込んでいます。今後パブリックコメントなどを経て、12月議会での制定を視野に準備がなされていますが、制定時期を含み、この議会基本条例との整合性をどのように図ろうとされるのか、お訪ねいたします。
2.木質バイオマスの活用に向けて
昨年12月7日から2週間、デンマークにおいて、国連気候変動枠組み条約締結国会議、いわゆるCOP15が開催されました。この会議では、いかに国際社会が足並みをそろえて地球温暖化問題に対処できるかが問われていました。しかし、一端取りまとめられた協定も、一部新興国の反発から、法的拘束力のないものに止まり、新たな議定書の採択も先送りされてしまいました。地球温暖化対策は待ったなし!との共通理解ができても結局、政治的な思惑で実効ある対策が見送られたわけであります。 さて、国内に眼を向ければ、現政権が掲げる2020年まで25%削減という目標があり、全国先進自治体の例に学び、本市でも昨年12月議会で条例を制定し1月施行いたしました。私はその12月議会で条例が実効あるものとなるよう推進計画の策定には、市域の7割を占める森林資源の利活用、具体的には間伐材等を活用した木質ペレット等の製造・活用を提言しました。言うまでもなく木材は燃やしても、化石燃料とは違いCO2 を増加させないとされており、市長は林業の活性化と温暖化対策の相乗効果が期待できるとの答弁を行いました。また、先の3月議会では中西議員からも間伐材を活用した「バイオマス発電」について提言がありましたが、市長からは間伐材の集積とコスト面で問題があるとの答弁がなされています。 私は先月地勢的に本市と似通っている富山県・立山町を視察してきました。立山町は三名山・立山を市域に含み、標高差3000m、面積307km2 の約5割が森林であります。その地の利を活かして「地域の経済活性化と市民参画による環境意識の向上、さらには安全で継続的な資源循環システムの形成をめざす」とし、国がすすめる「バイオマスタウン構想」に名乗りを挙げました。具体的にはこれまで放置されていた林地の残材(間伐材)、公園の剪定枝、製材工程から出る廃材をペレット化し、ボイラーやストーブに利活用するというものであり、この施策は環境対策はもちろん、森林整備や多様な森林づくりにも繋がるとしています。ペレットは製造しても安定した消費量を行政が確保する必要があり、ボイラーを市内の温泉施設と保育所に順次導入しています。またストーブは庁舎や小学校、公民館等に拠点的に設置され、「炎のゆらぎや暖かさ」を体験できるという子どもたちの情操教育効果もあり、加えて焼却灰は特殊肥料と認定され、肥料としても利活用できるというものでした。これで年間260tの消費量が確保されるとのことでした。なお、立山町は事業系生ゴミの堆肥化や家畜排泄物の堆肥化にもバイオマスタウン構想の一環として取り組んでいます。 さて、本市の状況を担当課で確認いたしました。現在、市内に放置された間伐材は立山町の2倍以上、公園や街路樹の剪定枝は焼却、製材業者から発生する廃材・おがくず等だけは利活用が進んでいるとのことでした。そこで、以下の質問を市長に行います。
(1)多様なバイオマスの活用の中でも、本市も木質バイオマスの利活用が有効ですが、そのためにはどうしてもペレット等の製造施設が必要となります。立山町は当初町単独の施設を検討していましたが、隣接する富山市に民間の大型施設が建設されたことにより、そこに資材を持ち込み、見合いのペレットを購入する方針に転換し、国の認可を得ました。まずは本市としてそうした製造施設の立ち上げが、森林組合や民間企業への業務委託の可能性も含め、質問とします。
(2)次に消費量の確保のために、視察した立山町の「あおぞら保育所」は一昨年の建設時にボイラーを導入、年間40tを消費しているとの事でした。本市も既存の温泉施設や改築予定の学校等にボイラー導入が検討できないか。また、ストーブについても高額なため、すでに北海道や東北の寒冷地だけでなく、今や首都圏など全国の自治体で購入補助が始まっており、本市でも太陽光や風力発電に加え、家庭用ペレットストーブや薪ストーブへの補助制度が検討できないか質問いたします。
(3)県議会産業委員会でも間伐材が活用されていないことについて質問が出されたと報道されています。本市の担当課からも、間伐材は県の森林環境税による事業が終了すれば減少するし、本市の場合は山が急峻で引き出すにはコストがかかるなど、マイナス要因の説明も受けています。市長は現在県の「いしかわ森林環境基金評価委員会」の委員でもあります。これからは環境事業が雇用を創出いたします。ぜひ森林環境税の継続と共に搬出費用を含む事業へも活用が拡大されるよう働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(4)最後に条例に基づく推進計画は環境審議会の中で議論されると聞きます。まずは執行部から木質バイオマスの活用を諮問されるよう求めます。加えて、本市では一部事業系生ゴミや家畜排泄物の堆肥化が民間で事業化されています。そうした施策を含む形で、全国237自治体が加わる「バイオマスタウン構想」に本市も取り組むよう求めますがいかがでしょうか。 条例化までは比較的容易ですが、それを実効あるものとするには、ある意味、覚悟を決めて予算執行せねばなりません。県内初の条例化を活かし、全国に発信できるような取り組みを期待し、以上質問といたします。
3.学校給食への地元農産物導入、その後
フードマイレージの視点からも、地産地消の推進は有効な地球温暖化対策と言えます。私は昨年6月、9月の両議会で学校給食に地元産野菜を積極的に導入することが地産地消の推進策となり、そのためには、地域の生産者グループの意向を踏まえ、輸送手段が確立すれば施策は前進すると提言してきました。教育長からは前向きの答弁がありましたが、年度内の補正には至らず、ようやく今年度に生産者と学校を結ぶ、輸送事業に予算付けができました。そこで以下の質問を教育長に行います。
(1)昨年度、自校調理実施校へ地元(この場合広範囲に一斉納入されるJAを除く)、つまり地区・校区の生産者が地元の学校に納入する場合に限定して、納入を受けた最多の学校の延べ日数や品目数、一方、納入ができなかった学校数はどれだけあるのか。さらに地産地消が進みにくい協同調理方式の松任地区中学校への対応がどうだったのか、
(2)今年度に搬送費が予算化されたことで、納入回数や学校数がどのように変化する見込みなのか、
(3)生産者と子どもたちとの交流の場がこれから学校等で設定されるのか、以上3点について質問します。
4.子どもと関わる時間の確保のために
私はこの場で何回となく、学校現場の多忙化解消について質問してきました。しかし、今の時代仕事が厳しいのは当たり前、忙しいことに苦情を言うことは甘えである、また労働条件については労使間の問題である、などと指摘を受けることもありました。しかし、私が問題とするのは、まさに学校が学校であるための「教職員と子ども達が関わる時間の確保」が極めて困難な事態にあることの指摘であります。しかも、その要因が多分に行政側から要求される一律の出張や研修、その報告書、日常化する調査物等々であり、それが一向に減少せず、結果的に長時間労働を生みだしています。教職員組合が行った08年11月限定の調査(ちなみにこの月は比較的諸行事の少ない月)によれば勤務時間終了から1時間以内に帰宅できた人は全体の35%、約半数が7時頃まで勤務し、8時頃でも1割が勤務を続けています。また、週休日や祝日にも約25%が週1日だけの休日、8%が月1回しか休んでいません。これは予想どおり中学校で特に顕著になっています。加えて教職員の健康破壊が一層深刻な事態となっており、文科省調査によれば08年度病気休職者は小中、県立校で8578人(前年度比404人増)、その内精神疾患が63%を占めています。また、石川県でも病気休職者74人中、39人が精神疾患となっており、09年度は11人(小中5、県立6)の現職死亡がありました。希望に燃えて教職をめざした教職員にとっては、子ども達との関わりで勤務時間が超過することは、さして苦にはなりません。しかし納得ができない、理不尽な長時間勤務による疲労は図り知れません。私は今議会で「教育予算の拡充を求めるの意見書」を提出し、その中で教育環境整備計画の策定を求めていることから、以下の具体的な事項について質問いたします。
(1)県教育長は昨年ようやく公式の場で学校現場が多忙状況にあることを認め、今年度中に教育次長を中心に「多忙化防止のための検討チーム」を発足させますし、金沢市でも対応策を検討すると聞きました。果たして本市の教育委員会でこうした学校の多忙化が議題とされたことがあるのか、まずは客観的な視点で長時間勤務の実態を把握することが急務と思いますが、この件は教育委員長に質問します。 以下は教育長に質問いたします。
(2)最近学校現場で聞かれるPDCAサイクルについてであります。これはもともと事業活動における生産管理や品質管理などの業務を円滑に進める手法の1つですが、今これが学校に持ち込まれています。PはPlan(計画)で各種指導計画、指導案など、DはDo(実施・実行)で授業、行事、記録など、CはCheck(点検、評価)でアンケートや各種集計など、AはAct(処理、改善)で報告書など、これが1周したら最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、サイクルを向上させる、と言うものです。学校ではこれが研究に限らず、様々な分野に導入され、事務作業が増大し多忙感が増しているといいます。このような画一的な事業手法の導入が果たして教育活動に適当なのでしょうか。まずは教育行政として、この手法の意義をどのように捉え、教職員の多忙化との関係をどう考えておられるか、質問をいたします。
(3)今年度から5年間を見据えた「白山市次世代育成支援行動計画」の後期分が策定され、これを受けて、市の職員に教職員や医療企業団職員等も対象とした特定事業主行動計画がまとめられています。これは職員が仕事と子育ての両立を図ることができるよう働きやすい勤務環境を整備するものであり、県庁を初め県内全ての自治体が一様に策定しており、昨年度の県内教育現場での執行状況を教職員組合がまとめました。それによると白山市では毎週水曜日及び毎月19日(育児の日)の「ノー残業デー」について、県内では未執行の数少ない自治体となっています。実際取れるのかはともかく、監督権者からの周知義務が課せられているものの、なぜか計画の存在すら知らない学校長も多いと聞きます。その3項では所属長の実施徹底への役割が明記されており、この4月以降どのように対応されてきたのかお聞きします。加えて所属長が職員の超勤等の業務を把握し対応すると明記されていますが、これも昨年まで本市は未執行でありました。これについての対応もお聞きします。 以上
