10.12月定例議会 一般質問

 【古河まさのり一般質問全記録】

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2010年 12月定例議会 一般質問

 

 1.議会に対する基本姿勢を問う


 まずは就任された新市長に対し、議会に対する基本姿勢をお聞きいたします。今年は全国的に首長と議会の対立構図が興味本位に報道されています。その一つが鹿児島県阿久根市です。報道によれば竹原市長は4月以降議会を開かず、自らと市職員、市議のボーナス減額や市議報酬の日当制導入、固定資産税率引き下げ、副市長の選任などを次々と専決処分で決めました。議会側は違法行為として不承認、しかし市長はそれに従わず、市民側でも市長解職と議会解散の双方に分かれてリコール合戦が展開され、5日に解職請求が成立しました。また、名古屋市議会では河村市長の公約である市民税の10%減税について、議会は財政難を理由に1年限定に修正、また議員報酬を半減するという市長案を否決、逆に市長は議会提案の条例を公布しないなど異常事態に至りました。結局ここでも市長を支持する市民グループから議会の解散を求める署名集めが始まり、その後の展開は皆様ご承知の通りです。
10.12gizyou2.jpg さて、こうした事態に発展する背景は、地方自治が「二元代表制」を取っているからに他なりません。同じ有権者から市長と議会が選出され、それぞれに権限が与えられています。ただ議会の立場からは不当な権力の乱用と見えても、市長には予算の編成権や執行権、議会の招集権も与えられており、権限の優位性は議会をはるかに越えています。また情報収集機能を掌握していることもあり、議員発議の条例が出しにくく、結果的に議会が承認機関となったり、オール与党化という事態を生み出してきました。白山市ではこの12月議会に議会基本条例が議会提出により上程されています。市民に開かれた議会、信頼される議会をめざし、具体的な改革案も盛り込んでおり、私は議会改革の第1歩と評価しております。市長には就任直後の議会でもあり、こうした議会との関係構築について、以下の質問を行います。
(1)国段階で地方自治法の改正が検討されていると聞きますが、現状では市長権限の優位性は否定できません。市長には今後の市政運営に当たり、例えば議会と対等な関係を保ち、専決処分の多用を避け、真摯に議論に臨まれることなど、議会との関係構築についての基本姿勢をお聞きいたします。
(2)次は議会事務局体制についてであります。現在の議会事務局職員は執行部局の人事異動の一環で配置されていますが、地方自治法によれば人事権は議長にあると解釈できます。しかも、上程された議会基本条例第20条は「議員の政策立案や政策提言を補助する組織として、事務局の調査・法務機能の充実強化を図る」と規定しています。そのため、今後は政策形成能力が事務局にも求められます。市長には議会事務局のあり方について議会と協議され、法務担当職員の配置についても検討に入られるよう求めますがいかがでしょうか。

 

2.日本ジオパーク認定に向けての課題


 私は3月議会で、福井県勝山市の視察をもとに白山ろくを中心としたエリアを対象に、日本ジオパークの認定を受けるための体制整備を求めました。角市長は「地質資産の保護だけでなく、本市の知名度の向上や新たな観光資源としての効果も期待できる」との前向きな答弁を行いました。私はさらに9月末、機会があり「洞爺湖有珠山ジオパーク」の事務局がある北海道・壮瞥町を視察いたしました。
 改めて紹介しますと、ジオパークは学術的・景観的に貴重な地質資産を教育体験活動だけでなく、観光や地域経済にも活用する自然公園として04年に国際組織が立ち上がり、ユネスコが支援しています。現在、中国や欧州を中心に77カ所が加盟登録していますが、日本の関わりは遅れて、07年末に国内組織の立ち上げ、09年に国内第1号としてこの洞爺湖有珠山が世界認定登録、今年の山陰海岸で4カ所が認定を受けています。視察した洞爺湖有珠山エリアは火山地帯として特異な地形が見られ、有珠山に隣接して1943年に突然畑地から隆起した昭和新山も現在噴煙を上げています。加えて「火山遺構・遺跡」として、噴火被害をうけた保育所・介護施設・公営住宅などの建築物が残されていることも印象的でした。
 さて、白山市は先の9月議会で事業費が計上され、10月より推進室が立ち上がりました。まずは来年度「日本ジオパーク」の認定を目指すに当たり以下の質問を市長に行います。
(1)まずは本市のコンセプトについてであります。私がこの間提言してきたのは、勝山市がそうであったように、いわゆるジオポイントが集中する白山ろく周辺をエリアと想定していましたが、事務局は白山市全域をエリアとして「白山・手取川ジオパーク」とする方向を打ち出しています。今後、エリアが広域のためジオツーリズムを企画するにしても焦点化が難しいと懸念しますが、いかがでしょうか。
(2)次に、28団体からなる「推進協議会」が先頃設立されました。金沢大学や県も一員となっていますが、とりわけ県については所管が観光部局で本市は教育部局、そうしたことから認識の違いが出てこないのかお聞きします。またこの間、県の白山ろくスキー場への対応や化石調査事業に対する支援が極めて消極的であったことから、不信感も持っています。このジオパーク事業に、県はどのような基本姿勢で臨み、財政的な支援も期待できるのかお聞きします。
(3)次は、来年度日本ジオパーク認定を実現するための条件整備についてお聞きします。すでに観光部門では「白山百膳」や「白山菊酒」など一定のブランド形成がなされており、観光ボランティアガイドも各地域で活動実態があります。しかし、学術・教育的部門での人的ネットワークや活動実績が見えないことから、こうした分野の組織整備が必要ではないのか、お聞きします。
(4)最後はビジターセンターなどの拠点施設についてであります。洞爺湖有珠山には環境省が設置した「火山科学館」、糸魚川市には「フォッサマグナミュージアム」、勝山市には県立「恐竜博物館」があり、それぞれ充実した施設となっています。本市でも用途変更が想定される「恐竜パーク白峰」や県立「砂防科学館」も活用可能と思われますが、エリアが白山市全域となると、設置場所を含め検討の必要性が出てきますが、本市単独では大規模施設の建設は困難です。また、本市の玄関口である松任駅周辺にも案内施設が必要とも考えられます。こうした拠点施設の整備をどうするのか、構想をお聞きいたします。

 

3,鉄道をまちづくりに活かすために


 北陸鉄道石川線・鶴来駅から加賀一の宮駅間が廃止されて1年が経過しました。時折付近を通過しますと、工事用の鉄柵で閉鎖された踏切、その前後には赤くさびた線路が横たわり、終点の旧一の宮駅舎はホームが取り壊され、出入り口が封鎖されていました。この末端部分の廃止に伴い、代替えバスが運行していましたが、利用者が少ないことを理由に、減便から廃止に向かっています。地元の方にお話しを聞く機会がありました。代替えバスは使い勝手が悪かった、また電車の廃止は正月三が日も含め、表参道側からの観光客の激減を招いてしまった、とのことです。
 今年、私は様々な鉄道にふれる機会がありました。夏には勤労者団体で石川線体験ツアーを実施、女性アテンダントの活動ぶりを拝見しました。9月末にはJR北海道・苗穂工場で念願のDMVの試乗体験ができました。最新車両はマイクロバスを改造したもので29人乗り、陸路から僅か20秒程度で鉄路に入ることができました。道内で実証実験を重ねており、できれば来年度国内どこかで営業運転したいとのことでした。また11月には議会便り編集特別委員会で和歌山県・紀の川市を視察した際に訪問できた「わかやま電鉄・貴志川線」です。起点の貴志駅にはテレビ報道されたネコのたまが駅長をしています。貴志川線も廃線の危機から経営事業者が変わり、地元自治体の支援で存続がなされている所です。ちょうどホームにはシンボル「たま電車」が入っており、観光客を集めていました。
 さて、北鉄・石川線ですが今年に入って、利用者の減少と赤字に歯止めがかからず、このままだと年間1億円に達するとの報道がなされ、再び廃線を企図した事業者側からのサインが出されています。そこで以下の質問を市長に行います。
(1)昨年度の一部廃止をめぐって表面化したのは、地元住民・行政側の事業者への不信感でした。国・県の補助も受けながら公共交通を担っているという自覚と企業努力が見られないと角市長も公言しました。そうした中で9月に市が利用者アンケートを実施したものの、事業者の協力が得られないとの報道がありました。なぜそういうことになるのか、利用者にとっては当然存続への意向が大きいものと思われますが、集約結果の概略と今後どのように活かしていくのかお聞きします。
(2)全国の先進例を見ても、赤字の公共交通を1企業が担うことはすでに不可能であり、行政の関わり抜きには維持ができません。国も法定協議会設立を推奨し支援システムをつくっています。白山市も金沢市も市長が交代するという状況となり、野々市町・内灘町を含め若い首長が沿線に揃ったわけですから、今が金沢都市圏の活性化を考えるチャンスと考えています。例えばDMVの実証実験を引き受け、白山ろくまで延伸するなど、大胆な発想による議論も期待しながら、改めて本市が率先して沿線自治体に働きかけるべきと思いますがいかがでしょうか。
(3)次は公共交通のあり方についてであります。現在、本市では「地域公共交通協議会」が設置され、審議中でありますが、路線バスとコミュニティバスが審議の対象となっています。そこで、富山市の視察でお聞きしたことですが、広域の市内を一極集中型にまとめるのは、これからの高齢社会では無理があり、対応策として「お団子と串の都市構造」を発想している。団子にあたるのは自動車に依存しなくても日常的な都市機能がある徒歩圏、串には鉄道や公共バスを配置するというものです。富山市も7市町村が合併した市で、広い市域で自家用車に頼る移動手段は早晩行き詰まると考え、その串に鉄路を有効に活用しようとしています。審議中の公共交通協議会ではそうしたまちづくりの視点から議論を進めていただき、鉄道が果たす役割も議論の対象に加えていくべきと思いますがいかがでしょうか。

 

4.幾つかの教育課題について


(1)全国自治体シンポジウムの総括と今後の課題
 10月28日から2日間、全国の子ども施策を進める自治体職員や研究者、議員等が一同に会して、「全国自治体シンポジウム」がこの白山市で開催されました。白山市が07年に施行した「子どもの権利条例」が、ようやく全国的に認知を受けたものと喜んでいます。第1日目の講演に立った射水市富山病院の医師・明橋大二さんは、日本の子どもの自己肯定感の低さにふれ、自分は人から必要とされているとは思っていない、と指摘されました。引き続いて東洋大学・森田明美さんコーディネイトのシンポジウム、提案者に立たれた喜田教育長ご苦労様でした。私は全日程参加して、各界から集まって来られた講師陣の充実ぶりと多様な分科会にも関わらず参加者の少なさが大変気になりました。まずは本市職員の参加態勢をどうされたのか、県内各自治体への発信力を高める機会であったのに、近隣自治体への働きかけをどうされたのかをお聞きします。
 また今回のシンポジウムで交わされた話題に、学校における実践力の弱さがありました。私が参加した第7分科会「学校における協働と子ども支援」でも、現場教職員は管理職含め2名、平日の日程で、しかもこの多忙状況では学校現場からの参加は無理だろうと主催者もあきらめ顔でしたが、私は各学校の研究発表会なるものに多くの教職員が学校を離れて動員される実態もよく知っています。まして全国規模の貴重なこのシンポジウムに参加を保証しない本市教育行政の姿勢に疑問を持ちます。11月に開催された第2回権利員会、そこでは次年度からの第2期行動計画が審議されています。第1期の啓発・周知から継続的な実践に、そこでの学校の果たす役割が重要であることは間違いありません。学校における人権教育や子どもの参画・意見表明をどう進めていくかが課題であります。10月末に実施された学校の多忙化実態調査でも明らかになるとは思いますが、受け身で形式優先の負担感の大きな研究実践ではなく、各学校の実情に応じ、裁量権も保証しながら取り組める実践、そうした環境整備を急ぐよう提言して教育長の見解を求めます。


(2)次は学校統廃合と通学区の問題です。

先月機会があり山麓地区で行われた教育懇談会に参加しました。そこでの話題の中心が、河内中学校の鳥越中学校への統合でした。議会に正式には報告がない中で、すでに地元では結論が求められていたようです。中学校は鳥越と統合、小学校は存続する。私はこれまでも学校の統廃合や通学区の問題は将来展望を含め、教育行政がビジョンを持つべきと主張してきました。先の議会では岡田議員の一般質問に対し、教育委員長は中学校の遠距離通学生には選択制を導入したい旨答弁されています。言うまでもなく学校の存続はその地域の活性化に深く関わりますし、遠距離通学を強いることは「教育の機会均等の原則」にも抵触いたします。地域の要望を尊重することは基本ではありますが、この間、判断や決定権すべてを地域に丸投げしているのではないかと懸念します。山麓では子どもの減少が深刻な課題です。しかし人数が少ないから統廃合ではなく、少なくてもいかに存続させ、子どもをどう確保していくか、まさにまちづくりの課題です。山麓地区に居住される教育委員長の率直な見解を求めます。

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